罹災証明の必要性
近年、保険会社はお客様である被保険者の罹災時の負担を軽減するという意味で、火災全焼事案の際に罹災証明書は不要であるとか、 保険金請求書の省略等書類をできるだけ無くす方向である。
しかしながら、罹災証明書を発行してもらわないと商売をやっている店舗では税金の減免の為、また自治体において産業廃棄物処分費用が無償になる住民サービスが受けられなくなる。
保険会社が省略しても実際は契約者は所轄消防署で発行をしてもらう しかない。
長崎市においては消防署から『罹災発行届け』を提出して後日、消防署から正式な罹災証明書が発行してもらう。 公文書偽造の観点からそのコピーは無効であり、複数の、例えば3,4枚の 同書類を発行してもらう方が宜しい。
蛇足ながら、残念な事に長崎市のそれは『わら半紙』なのである。 自治体として儲かってないせいなのかわからないが、実家が印刷工場の小生には学生時代から長崎市の試験の用紙が日本国で最低ランクの安物であるわら半紙に驚愕していた。 令和のこの時代に至っても、財政の苦しいわが長崎市はわら半紙なのである。
強度が全くなく、すぐ破れる紙である。
更に罹災証明書は後日、追加での発行は出来ないことを追記する。
火災現場では鑑定人単独立会が多く契約者の質問は鑑定人に集中する。 そこでは隣家への賠償についての質問があったり、 隣家への賠償に個人賠償責任保険が使えるのか等、鑑定人にとっては 簡単な答えも言葉を選んで『失火責任法』を説明するしかない。
※ここは過去に述べた余計なことであり、説明してはいけないとの保険会社も存在し、各社の判断に任せましょう。 まあ、焼場において明確に説明できる御仁は例え弁護士の先生でも 出来ない場合を経験して来た。 被保険者の代理人として現場に来た○○弁護士が舞い上がってしまい、言葉を失い、小生とまともに議論出来なかった。 後日、弁護士事務所で机の上での書類のやり取りをする為、面談すると冷静な人物に戻っていた。 そう、火災現場には魔物が棲んでいる。
そもそも保険業界には形骸化してしまい、意味を失った『習慣』が多く存在した為、書類の省略がトレンドとなりつつあるが、罹災証明書の必要性やその書類の効果を忘却してはならない。
令和7年9月2日
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